核変換 nuclear transmutation 2005 6 20

「核変換」とは、ある原子が、別の原子になることです。

 皆さんは、元素周期表を覚えているでしょうか。
水素、ヘリウム、リチウム・・・・・と暗記した人も多いでしょう。
 ところで、私たちが生きていく上で、重要な元素である「炭素」や「鉄」は、
どうやって、できたのか、疑問に思ったことはないでしょうか。
 そもそも、宇宙の最初には、
陽子1個と電子1個で構成される「水素」しかなかったと言われます。
 では、陽子や電子がたくさんある、
複雑で重い元素である「炭素」や「鉄」は、どうやって、できたのか。
それは、星(恒星)が作ったのです。
 恒星は、核融合反応によって、燃えているというか、光っているのです。
つまり、水素と水素の核融合反応で、光とエネルギーを作っているのです。
その結果、水素は、核融合反応によって、ヘリウムに変わります。
 さて、恒星が持っている水素も、無尽蔵にあるわけではありません。
やがて、水素が減っていき、ヘリウムが増えていきます。
 そうなると、今度は、ヘリウムを燃料とするのです。
つまり、ヘリウムの核融合反応になります。
そして、その核融合反応によって、炭素ができます。
 その後も、同じことの繰り返しとなります。
炭素の核融合反応で、マグネシウムを作り、
マグネシウムの核融合反応で、さらに重い元素を作り・・・・・。
 この核融合反応は、いつまで続くのか。
それは、鉄ができた段階で終わります。
鉄は、一番安定性の高い元素と言われていますので、さすがに鉄の核融合反応はありません。
 すると、こんな疑問を思いつくでしょう。
確か、鉄より重い元素が、たくさん、あったはず。
それは、どうやって、できたのか。
 こうした鉄より重い元素は、超新星爆発によって、できたのです。
恒星の内部に、鉄ができた段階で、核融合反応ができず、恒星全体が、爆発を始めるのです。
こうして、超新星爆発によって、重い元素を、宇宙空間に、ばらまくのです。
 そういうわけで、私たち人間は、「星の子」と言われます。
人間が生きていく上で、大切な「重い元素」は、星(恒星)が作ってきたからです。
 しかし、話は続きます。
実は、「重い元素」は、そんなに手順よく、できないのです。
 炭素の核融合反応を起こすことができる恒星は、
太陽質量の8倍から10倍ぐらいの恒星と言われます。
 同じく、マグネシウムなどの核融合反応を起こすことができる恒星は、
太陽質量の10倍から30倍ぐらいの恒星と言われます。
 私たちの恒星である太陽は、平均的な大きさと言われます。
太陽クラスの恒星では、炭素ができた段階で、核融合反応は終わるのです。
炭素の核融合反応を起こすほどのパワー(力)がないのです。
最終的には、炭素でできた「黒色わい星」となって、星の一生が終わるのです。
もちろん、超新星爆発を起こすパワーもありません。
だから、宇宙空間に、炭素という元素を、ばらまくことはないのです。
 こうしてみると、地球に、たくさん存在している「重い元素」が、
巨大恒星の超新星爆発によって、すべて調達されたと考えるのは、無理があります。
 地球レベルで、「重い元素」ができるシステムはなかったのか。
地球においても、核変換によって、「重い元素」ができた可能性を考えるべきです。
 「重い元素」の製作を、
すべて巨大恒星の「核融合反応と超新星爆発」に依存するのは、無理だと思います。






































































































































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